高原野菜のふるさと
八ヶ岳野辺山高原
八ヶ岳野辺山高原は富士山や日本アルプスに次ぐ高い山のふもとの高原です。標高は1,300mあり、全国で一番標高の高いところにある駅(野辺山駅)があるのも八ヶ岳野辺山高原です。
1年の平均気温は8度前後、真夏の昼間でも30度を超えることはほとんどありません。
農業の歴史
八ヶ岳野辺山高原一帯は、明治~昭和時代中期まで日本のほかの農村と同じように稲作が主でしたが夏でも気温が高くならないのでお米を作るにはとても苦労しました。農家の人たちは「土地にあった生産性のあがる作物はないか」といつも研究し、涼しい土地にあったものとしてハクサイ、ダイコンなどが作られました。昭和10年に鉄道(小海線)が通り、それらの作物や商品を遠くの町へも出荷するようになりました。ダイコンはたくあん漬けにして出荷していました。
昭和35年頃からレタス、キャベツ等の高原野菜が新たに導入され、今もさかんに高原野菜が作られ続けています。
高原野菜が作られるようになった理由
昭和35年頃から日本人の生活が変化してサラダ等の洋風料理がたくさん食べられるようになりました。
サラダに使われるレタス等の野菜が高冷地の気候にとても適していることが分かり、ここ八ヶ岳野辺山高原で作られるようになりました。昭和40年代、輸送はトラックに変わりました。交通機関の発達によって新鮮な野菜を大都市に輸送できるようになったということも、八ヶ岳野辺山高原で野菜作りがさかんになった理由のひとつでした。
レタスができるまで
土おこし
前の年に野菜を作っていた畑の土を元気にします。牛や馬のふんや落ち葉を使って作ったたい肥や肥料をまぜながら、トラクターで土をおこしていきます。
「土おこし」によって土に空気が含まれ、太陽消毒もされるので野菜の根がよくのびるし、病気にもなりにくくなります。
育苗
ハウスの中で種をまいて苗を育てます。たくさん穴のあいたプラスチック容器に入った専用の土に種をまくと3日後には芽が出てきます。
種まきから苗作りにはおよそ25日間かかります。 その間ハウスの室温を18~20度に保たなければなりませんし、水まきもしっかりやる必要があります。
うねたて
土おこしでいい土ができたら、今度は苗を植える為の「うね」を作ります。これを「うねたて」といって、昔はクワなどでたてたので手間も時間もかかるたいへんな仕事でした。現在は機械化されて、大きな機械なら一度にいくつものうねを作ることができます。
苗の定植
苗をハウスから畑に移します。葉も根もやわらかいので1本づつていねいに手で植えていきます。土をおおっているフィルム(ポリマルチといいます)は日光をよく吸収し、気温の変動や風害、乾燥から野菜の根を守ります。
収穫
だいたい40日ほどで収穫します。包丁で根を切り落とし、いらない葉は捨てて箱に入れます。気温が高くならないうちに作業を終えなくてはいけないので午前3時頃から作業を始めます。6月下旬から10月まで続きます。
レタスがお店に並ぶまで
十分に育ったレタスはつぎつぎに収穫されて畑で箱につめられ、野菜集荷場に運ばれます。
そこで品質を厳しく検査し、低温に保たれ、輸送中に痛まないように専用の保冷トラックで全国各地に運ばれます。
このページに関するお問い合わせ
産業建設課|0267-96-2211(代表)